更新日:2022/09/30
記入者:ECO-AIs
アミノ酸が体に良いものだということは知っていても、そもそもアミノ酸とは一体何なのか説明できる人は少ないのではないでしょうか。
アミノ酸とは有機物の一種であり、その中でも塩基性のアミノ基(-NH2)と酸性のカルボキシ基(-COOH)を持つものの総称を指しています。さらに、アミノ酸がいくつもつながってできたものがたんぱく質になります。たんぱく質は私たちの体の約20%を占め、筋肉や血管などを構成しており、生きるために重要な役割を担っています。500種類以上存在すると言われているアミノ酸ですがその中でたんぱく質を構成するアミノ酸はわずか20種類と言われています。
アミノ酸の重要性を認識したところで、ここからはアミノ酸を生成させることに成功した研究を紹介します
今年発表された報告ですが、窒素(N)をもたない有機物からアミノ酸を生成させる方法を日本の研究チームが見つけ出しました。ではどうやって窒素なしでアミノ酸を作り出したのか。答えは、有機物中の炭素(C)を窒素に変化させてアミノ基を作る、という奇想天外な方法です。自然界には壊れやすい炭素(放射性同位体)と壊れにくい炭素(安定同位体)が存在し、壊れやすい炭素はその後窒素に変化するという性質を持っていることを利用したのです(ベータ崩壊という反応)。この原理によって、窒素がない環境でもアミノ酸を生成させることに成功したのです。
宇宙では地球に比べて放射線量が100倍以上の環境下にあり、高エネルギーの放射線がたくさん放出されていることが知られています。そのため上記のような現象でアミノ酸が生成されている可能性があるかもしれません。物質が存在しないところから新しく生み出すことができる、これまでになかった斬新な発想が、生命科学、古生物学など幅広い研究分野に進歩をもたらすのではないでしょうか。
窒素がなくてもアミノ酸はできる! | 理化学研究所 (riken.jp)
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