ミスタートルネードと呼ばれた博士

日本人の研究者の中で、世界的な研究者は、たくさんおられますが、気象学の分野で、世界的な貢献をされた博士として、藤田哲也先生(シカゴ大学教授)という方がおられます。

この先生は、竜巻の仕組みを見出された先生ですが、航空業界で問題視されていた事故を未然に防ぐための研究を成功させたことでも有名です。

飛行機事故の原因の１つが、ダウンバースト(あるいはマイクロバースト)と呼ばれる空から地上に向けて吹く突風であることを突き止めたのです。秒速80mにもなることもあるらしく、それだけの突風が吹けば、熟練のパイロットも対応できない自然現象として今では知られています。

今では、この発生から飛行機を守る技術などがあり、ここ三十年ほどダウンバーストによる飛行機事故は皆無となっています。

藤田先生の凄さは、このメカニズムを見つけたということだけではありません。この現象自体を誰も理解せず、誰も当時信用していなかったにも関わらず、10年以上の歳月をかけて、証明することに成功しました。その精神力は、並大抵ではなかったと推察します。

今の社会は波風を立てずに生きることが、１つのスタンスになりつつあります。

しかし、このような苦労をしてきて、安全な社会が作られてきたということは、子供たちにも知ってもらいたいなと思っています。

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