更新日:2021/02/19
記入者:ECO-AIs
ウイルスの表面抗原の一部を使った新しい取り組みについてご紹介します。
ウイルスの抗原性の評価を遺伝子の塩基配列から推測することができるので、その技術を活用して、できる限り広範なウイルス(種は異なっても、近縁のウイルス)に共通する塩基配列を活用し、ウイルスの表面抗原の一部を使った研究開発に取り組んでいます。免疫系を賦活化するいわゆるアジュバンド分子と結合させて、ハイブリット型の抗原を作成させます。このようなハイブリット型の抗原を鶏に噴霧し、しかるべき抗体を鶏に作ってもらう方法です。
鶏は、免疫系のうちファブリキウス嚢という器官で抗原を認識しやすいM細胞をたくさんは発現していることが知られていますので、そのM細胞を刺激します。
これによって、鶏独自の抗体であるIgYが、その抗原を認識するものとなります。IgYは、ペットの歯周病対策などにも用いられていますが、卵の中に、このような広範なウイルスを捉える抗体ができれば、食べる免疫が可能となるのではないかと期待しています。
昔から、医食同源という言葉がありますが、自然界の様々な微生物に耐性を持っている動物由来の成分が体に与える影響はなかなか調べられていません。本技術が確立すれば、今後、卵の価値をあげることにつながるのではないかと考えています。
以下、概要を記載します。
1.ハイブリッド型抗原による多様性イムノグロブリンIgYの産生とその用途
2.従来ワクチンとは異なる多様性IgA誘導型ワクチン様製剤の用途
3.ハイブリッド型抗原に曝露した粘膜組織における抗原提示
4.経鼻・経気道・経口を対象とした多様性IgA誘導型免疫賦活剤の応用展開