Eco-AIs

学際領域

昆虫から学ぶ

更新日:2022/05/20
記入者:ECO-AIs

ここでは、バイオフィロソフィー (生物の目線で、人の生き方を含めて哲学として捉える)、あるいはバイオミメティクス(あくまでも物理的な見方で自然の摂理を理解する)の視点で、将来の私達の生活に役立つ事例を紹介します。

  1. 蜂のすごい生きざま <ミツバチの例>  

(NHK「ワイルドライフ」〜日本の里山 ニホンミツバチの鉄壁の集団に迫る〜より)

  1. ミツバチが多数決で新たに引っ越しする場所を決める→八の字ダンスをして自分の住処として最適な場所を皆で探し、それぞれが良いと思った場所の方向を示すダンスをする。その上で、たくさんの蜂のダンスの方向が同じになった時点(意見が統一したとみなす)で、そこに皆で旅立って新しい巣を作る。
  2. ミツバチの天敵であるスズメバチが、巣に攻めてきた時に、周りにまとわりついてスズメバチの体温を高くして、死滅させる。→ちなみに、その時に活躍したミツバチは残念ながら長生きできない。同時に死滅するミツバチもいる。
  3. ミツバチが天敵のスズメバチが死んだ後に、その匂いを消す→草を皆でとってきて、スズメバチの匂いを消すために、草をこすりつける。
  4. 新女王蜂の交代→ミツバチの女王蜂が新しい女王蜂が生まれると巣立って、住み慣れた住処を新しい女王蜂に譲る
  5. 病気の蔓延防止→ミツバチの巣の中で、病気になった蜂がいたら、その遺体を運んで、巣の中で病気がひろがらないようにする。
  6. 自ら役割分担をする→ミツバチの短い一生の中で、自分で判断して役割分担を少しずつ変えていく仕組みがある。

2. 昆虫の幼虫の生きざま <カブトムシの例>  

  1. カブトムシの幼虫が腸内細菌 (共生菌:一緒に生きている細菌)を使って、分解しにくい木から栄養成分をとっている
  2. それらの腸内細菌(共生菌)の中には、環境保全に役立つ細菌がたくさん含まれている。例えば、排気ガスで問題になっているNOx(窒素酸化物の総称)に似ているガスの1つ、温暖化ガスの一酸化二窒素(二酸化炭素の約300倍の温暖化係数をもつ)を増やさない様にする反応(アナモックス反応)をする細菌や、人工的に作ったものではなく、天然の抗菌物質を作る細菌、空気中の窒素を利用して、最終的にアミノ酸などを作るための手助けをする細菌(窒素固定菌)、生物の力で環境汚染を食い止める(バイオレメディエーション)働きをする細菌などなど。

理研参考URL: https://www.riken.jp/press/2022/20220518_3/index.html

3. バイオミメティクス

日本語に直すと生物模倣を意味している。昆虫本来、動物本来、あるいは植物本来の性質を利用して社会活動に活かす技術を指します。例えば昆虫の表面の毛があることによって、抗菌効果をもたらしたり、水を弾いたりする仕組み、ハチドリの飛び方を模倣してドローンの飛び方への活用、電気うなぎの生体反応を発電への利用研究、あるいは、植物本来の性質から実際に人の製品作り(松ぼっくりを活用して、水分利用による無電源の開閉器、蓮による超撥水構造)。ヨーグルトの蓋の部分に里芋の水を弾く性質を生かして、表面の微細な毛。

参考URL バイオミメティクス推進協議会:https://www.ituaj.jp/?page_id=9817#!prettyPhoto

参考URL 日本ITU協会:http://www.biomimetics.or.jp/index.html