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学際領域

植物から学ぶ

更新日:2022/06/24
記入者:ECO-AIs

植物が成長するための場所を自由に選ぶことは困難です。そこで自らの体の一部を生息環境に順応させることで厳しい自然界を生き抜いています。また、一種単体ではなく何種も集まったり、あるいは他の生物と共生して生み出される効果もあります。ここで植物が得た機能には私達の生活に役立っているものもあります。以下、その例をご紹介します。

  1. アナナス(パイナップル科):植物が水を集める仕組みを使用 → 苗木を育てるための商品開発につながった事例https://www.nucleario.com/en/

2. 空飛ぶ川→ アマゾン上空で水蒸気の川が形成されており、アマゾン川と同等の水量を誇るといわれている。地球規模の水循環に影響を与えている

3. たんぽぽ:可愛いと思わせて綿毛を吹いたら、遠くに種が飛ぶ仕組み (植物本体は動かずに、子孫を別の場所で残す仕組み) ; 風が吹けば、飛んでいく(無エネルギーでの移動)

4. 植物が昆虫と共存することで昆虫が撥水機能を得る (昆虫との共生の形:https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20181026_01/index.html

5. 大鬼蓮(おおおにばす)の撥水と浮力:重さ約20kgまで耐えることができると言われ、葉脈で重さを分散することに加え、空気をため込み浮袋として活用しており、建築に応用されることもある https://www.marcheaozora.com/?

6. 蝶にとって波長の短い光を捉えやすく、逆に波長が長い光は捉えにくい →紫の花に集まりやすい (植物の繁殖への利用)

7. 巨樹は歪(いび)つだったりするけれども、その歪さ故(ゆえ)に、伐採されたりしなかった歴史がある。数千年も生き抜いているその根の張り方は特徴的で生命力がある。自分の枝の直径よりもさらに先に伸びていたりする。これらの工夫によって、水分や栄養成分をしっかり取るようにしている

8. 森が海を作る:森の豊富な養分が川に溶け込み海に流れることで  養分の乏しい海に養分を送ることができる 豊かな海をつくる森 | NHK for School

9. 鳥がタネを食べ、サボテンに糞をした時にタネから芽が出てきて、サボテンの気孔(きこう)が呼吸のために開く夜の間に、その芽が気孔から侵入して根を生やす。その後、サボテンの栄養を利用して大きくなった植物は、花を咲かせて、鳥や虫に受粉させ、次の世代が他の土地に移動することになる;寄生植物 ex. ヤドリギ、ラフレシア

10. サボテンの子供にあたるコブの部分をネズミが盗り、蛇などが寄り付かないように自分の巣の周りに置く。そのサボテンの子供が大きくなって、サボテンとして生育する。この周期が繰り返される

11. 砂漠では、親子、兄弟のように、根でつながって少し離れた場所でも共生している植物もいる。それぞれの根は、水脈に当たったら、その根から吸い取れる水を他の共生している親子、兄弟のような植物とともに、一緒にその水分を分け与えて利用する

12. 植物の光合成のおかげで酸素が作り出され、私達人間や動物が生きることができる

13. 植物は再生しやすく、実際にiPS細胞の発見のヒントの一つになっている。幹の細胞のはずなのに、環境条件によっては根の細胞としての機能に変化しうる万能性が知られている

14. 鎮守の森:古来より山や森に対して畏敬の念を寄せ、神が宿る場所と考えられており「鎮守の森」は神が降り立つ場所の象徴とされた。このようにして人の思いものせて巨樹は生きてきている

以上のような事例に見られるように、植物や昆虫の様々な機能は、私達に新たな発想もたらすことがわかります。これらを利用する目的で、バイオミメティクス(生物模倣)と呼ばれる学問体系や実施例が紹介されていますので、ご紹介します。将来、新しい発想の技術が生まれたら嬉しく思います:https://www.marcheaozora.com/?